アジアクエスト
株式会社
デジタル
イノベーション部
重川 将 氏

2020年にアジアクエストへ入社。前職では、基幹システムやモバイルアプリの開発を担当し、幅広い技術経験を積む。
新たな挑戦としてフロントエンドの知識とスキルを習得するためにアジアクエストへの転職を決意。
エンジニアリングスキルとビジネススキルの両立を目指し、顧客の事業成長を支援する「DXコンサルタント」として日々進化を続けています。
ロボット技術を活用したDXとは、ロボットとデジタル技術を組み合わせ、業務プロセスのデジタル化・効率化を図ることで、新たな価値を創出する取り組みを指します。
単なる業務の自動化にとどまらず、業務の質を向上させ、持続可能なビジネスモデルの構築を目指すことがその目的です。
ロボットを安全かつ効果的に活用するためには、ロボットの制御技術とあわせて環境整備も重要となります。
自動車と同様に、ロボットも信号機や交通ルールといった仕組みが整ってこそ、事故を防ぎ、日常生活の中で円滑に運用することができます。
このような仕組みを構築するために、ユーザーやサービス提供者だけでなく、施設管理者や施設利用者など、多様な関係者の視点を踏まえながら、適切な仕様を策定していくことが求められるため、
私たちは、さまざまなステークホルダーと連携しながら、DXの実現を推進しています。
ロボット技術を導入することで、システム化だけでは実現できないようなフィジカル面にもアプローチして作業の効率化が可能となります。
昨今、AIが急速に進歩しており、今後は単純作業だけでなく、複雑な指示もロボットで対応することが可能になると見ています。労働力不足が叫ばれる現代においては、ロボットによる生産性の向上は社会にとって必要不可欠です。
これまでロボットは工場での稼働がメインでしたが、これからは人間と協調しながら様々な場面で活用が進んでいき、自動運転に限らず建設業やサービス業やヘルスケアといった多種多様な業種でロボットが活用されていくでしょう。
これまで人間が行なっていた単純作業をロボットで自動化することで、空いた時間を活用して更なる付加価値の提供にリソースを割くことができ、サービス品質向上に努めたり顧客満足度の改善など本来人がやるべきことに集中できるようになります。

本プロジェクトにおいて、アジアクエストはロボットデリバリーシステムおよびロボット統合管制システムの開発を支援しました。
ロボットデリバリーシステムを活用することで、ユーザーはスマートフォンアプリを通じて施設内の飲食店に注文を行い、配膳ロボットによる安全かつスムーズな商品受け取りが可能となります。
さらに、ロボット統合管制システムの開発により、複数種類・複数台のロボットの運行管理およびインシデント管理が可能となり、サービスロボットの導入・運用コストの削減に貢献しました。
今後もアジアクエストは、先進技術を活用したシステム開発を通じて、より快適で効率的な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
ロボットデリバリーシステムの開発プロジェクトがスタートした際、具体的にどのような機能が必要なのかが明確になっていない状況でした。
加えて、当時はロボットにより配膳を行うサービスは前例がありませんでした。
そこで、参考になりそうな配達サービスを調査し、どの要素を取り込み、どのようにカスタマイズすれば良いサービスになるのかを入念に検討しながら、お客様と確認を重ねてプロジェクトを進めました。
このプロジェクトで特に印象的だったのは、仕様通りに作ってもロボットが思った通りに動かないことでした。
現地で動かしてみると、何らかの外部要因によって想定通りに機能せず、エラーで突然停止することがありました。
問題の発生箇所とその要因を特定するために、センサーの誤作動なのか、施設のネットワークの問題なのか、制御システム側の問題なのか、それとも統合管制システムの問題なのかを見極める必要がありました。
一目では原因が分からないため、仮説を立てては検証し、何度もテストを繰り返しました。
最終的に、ロボットはスムーズに移動できるようになり、実運用に耐えうるレベルまで改善できましたが、「現実世界はシミュレーションのようにはいかない」ことを痛感したプロジェクトでした。
ロボットを用いたシステム開発では、机上での動作と実環境での動作に大きなギャップがあるため、実証実験を重ね、環境に適応させていくことの重要性を改めて学びました。
このプロジェクトでは、立場の異なるさまざまなステークホルダーの意見を収集し、それらをバランスよくシステムの機能に取り込むことが求められました。
ロボットによる配膳サービスには、ロボットのスペックや施設設備の制約があり、人手による配膳サービスのように柔軟なオプション対応ができるわけではありません。
また、イレギュラーな事象が発生した際、人間が配膳を行なっているならば、ドライバーと注文者の間で直接コミュニケーションをとり、現場での対応が可能ですが、ロボットの場合は、事前にシステム仕様に落とし込み、実装する必要があります。
イレギュラーなケースは無数に考えられますが、それらをすべてロボットやシステムで対応しようとすると膨大なコストが発生します。
そのため、機能追加を検討する際には、サービスの収益性や運用性を考慮しながら、お客様に適した提案を行いました。
こうした経験を通じて、技術とビジネスの橋渡しを担う「DXコンサルタント」としての役割をより強く意識するようになりました。
このプロジェクトで得た教訓は、今後のプロジェクトにも活かせる重要な学びとなっています。
DXコンサルタントに求められるのは、まず顧客の事業や課題を深く理解することです。ただ表面的な要望を聞くだけでなく、顧客自身が気づいていない潜在的な課題やニーズを見つけ出す力が重要だと感じます。
技術の知識を持ちつつ、それをビジネスにどう結びつけるかを考えるのがDXコンサルタントの本質的な役割です。単に技術を提案するだけでなく、「なぜこの技術が顧客の事業にとって有効なのか」を説明し、納得してもらう力が求められます。
DXプロジェクトでは、ステークホルダーが多様であることが一般的です。それぞれの立場で異なる意見や要望を調整し、全体としての方向性をまとめ上げる役割がDXコンサルタントには必要です。顧客だけでなく、技術者や運用者の声も取り入れて最適解を導き出します。
DXの取り組みでは、変革が求められ、既存の枠組みが大きく変わります。
それでもビジョンの実現に向けて様々なプランを考えて、現場に落とし込んでいけるよう粘り強く対応していくことが求められます。
DXコンサルタントは、顧客のパートナーとして長期的な信頼関係を築くことが大切です。一度きりの提案で終わらせるのではなく、実行後も継続的にフォローアップし、成果を確認しながらさらなる改善を提案する姿勢が求められると思います。
技術者であり、ビジネスの理解者であること

DXコンサルタントは、技術者でもあり、ビジネスの理解者でもある必要があります。そして、顧客の事業に寄り添いながら、具体的な課題を解決し、新たな価値を創出する橋渡し役としての存在が求められていると感じています。
先進的なデジタル技術活用と
総合的なDX支援体制
アジアクエストは、IoT、AI、クラウド、ローカル5Gといったデジタル技術を幅広く活用し、顧客のDX推進を支援しています。
総合的なITサービスを提供するために、幅広い専門知識を持つ人材が社内に在籍しており、顧客の要望、課題に合わせ、テクノロジーを選定し、プロジェクトチームを組んでいます。
1つの技術領域を深掘りしつつ、他技術領域の知見を得ることができ、DX人材としての素地を鍛えることができます。
若手の成長を
促進する活躍機会
アジアクエストは、平均年齢31歳という若い組織で、社員一人ひとりが早期から責任あるポジションで活躍できる環境があります。
若手社員が積極的にリーダーシップを発揮し、ビジネス課題の解決や新しい技術導入に取り組む場を多く用意し、年齢に関係なく、業務を通じて実践的なスキルを磨きながら、DX推進の核心に触れる貴重な経験を積むことができ、自身のキャリアを加速させることができます。
運営会社
編集チーム
アジアクエストは、先進的なデジタル技術を幅広く活用できる多様な分野の専門家が在籍し、顧客の課題解決に直結するDX支援を行っています。
平均年齢の若い組織で、若手が早期に活躍できる場を提供し、社員同士が助け合う文化と多様性を尊重する環境で、一技術分野に留まらないDX支援者を目指してみませんか?